3月15日から住宅宿泊事業の届出を行えることになりました。
実際に所有している物件の届出を行いましたので、その過程で実施したこと、気をつけるポイントをまとめたいと思います。
(現在は、随時更新中です。記事は変更されることがあります。)
物件の契約状態を把握する
実際に届け出を行う物件の契約状態を整理します。今の民泊物件は購入している訳ではなく、転貸として借りています。
賃貸借契約している物件
- ワンルームマンション(8㎡程度と狭い)
- 賃貸借契約書に転貸可の記載はある
- 賃貸借契約書に民泊に対しての禁止事項はないが、許可事項もない
- 管理組合は無くて、マンション1棟を貸主が所有している
- マンションの管理は管理会社が行っている
- 物件は墨田区にある
- 貸主が空室の対策として、民泊向けに貸出をしている
- 新法制定前に民泊向けとして物件紹介された
- 貸主との口約束では民泊可能としているが、契約上は事務所利用
- マンションのおそらく半分ぐらいの部屋が民泊としてホストが借りている
- 2017年12月に賃貸借契約を結ぶ
問合せ先や相談できる窓口の整理
民泊制度ポータルサイト「minpaku」
届け出は、住宅宿泊事業者の届出に必要な情報、手続きについてのページに沿って行います。
コールセンターが設置されています。
民泊制度コールセンター:0570-041-389
受付時間:平日9時00分〜17時00分(土日祝日除く)
Airbnb Community
Airbnbでは次の窓口が用意されています。
SATO行政書士法人コールセンター
住宅宿泊事業法についての質問を、行政書士へ直接質問できるコールセンターです。
http://sato-minpaku.com/contents/code/callcenter
0570-030-310(日本時間 平日10:00-17:00まで)
消防法令適合通知書の相談と許認可
物件の消防法令適合通知書が必要になります。
消防庁が管轄で、墨田区の場合は、物件の住所によって、本所扱いか出張所扱いなのか異なるようです。
電話で窓口を確認した結果、今回の物件は本所扱いでした。
本所消防署 予防課 予防係
電話:03-3622-0119
民泊物件を紹介した仲介会社
民泊物件を仲介している会社も相談することができます。仲介会社も民泊物件の活用が広がるとビジネスチャンスになるため、マンションの所有者や管理会社と交渉してくれます。また、仲介会社のほうが管理会社や管理組合とも面識があるので、交渉してもらいやすいです。
管理組合の規約や貸主からの民泊の承諾書などの交渉は仲介会社に相談して解決できそうです。
登記情報提供サービス
申請をするときに物件の登記簿が必要になります。登記は全部事項証明書。
次のサービスでダウンロードできる。
登記情報提供サービス
民泊新法の届け出で実施したこと
時系列に記載しています。
3月18日:民泊制度ポータルサイトへ登録をはじめる。
ユーザー登録をした後に、物件の入力を始めます。
住宅宿泊事業者の届出に必要な情報、手続きについて
物件が、「届出前に確認しておくべき事項」を満たしていないことに気づく。
住宅宿泊事業の届出をしようとする者は、届出の前に下記の事項等について確認をしておく必要があります。
- 届出者が賃借人及び転借人の場合は、賃貸人及び転貸人が住宅宿泊事業を目的とした賃借物及び転借物の転貸を承諾しているかどうか
- マンションで住宅宿泊事業を営もうとする場合には、マンション管理規約において住宅宿泊事業が禁止されていないかどうか(※)
(※)規約で禁止されていない場合でも、管理組合において禁止の方針がないかの確認が必要となります。
詳細については「マンション管理規約関係の通知」をご参照ください- 消防法令適合通知書を入手(※)
(※)届出住宅を管轄する消防にご相談ください。
詳細については「消防庁関係の通知」をご参照ください引用元:届出前に確認しておくべき事項
3月19日:SATO行政書士法人コールセンターへ相談
Q:消防法令適合通知書について
A:都内の場合は、申請段階で相談書(相談しているという書類に消防庁の印があるもの)でよい。6月15日までには、消防法令適合通知書が必要。物件の図面、建物の図面が必要になる。
Q:契約書に転貸可の記載だけで申請できるのか
A:明確に民泊で転貸を許可する承諾書が必要。物件の貸主から承諾書をもらう。
Q:住宅宿泊管理業者は自分で実施することはできるのか
A:個人事業主の事業としての一貫で、物件を管理するなら可能。不動産の免許や実績が必要。
3月20日:仲介会社へ管理会社 ・貸主の民泊への方向性を確認してもらう
民泊制度ポータルサイトで掲載されている、「届出前に確認しておくべき事項」が気になるため、仲介会社へ確認します。
仲介会社からは次の回答をもらいました。
- 6月15日から合法になるため、管理会社と貸主で民泊承認に向けて検討会議をしている
- 管理会社も空室対策として民泊が有効であることを理解している
- マンション一棟でかなりの部屋数が民泊で使われている
- 一般の入居者からも民泊宿泊者に対してクレームがある
- 6月15日まではグレーであるため契約上は承認することができないが、承認しないと申請できないのでどのように対応するか検討している
- 4月か5月ぐらいまで申請は待ってほしい
- もともと空室が多い物件だったので、仲介会社としても新法に準拠して民泊が行える物件したほうがよいと、管理会社に説明している
また、消防法令適合通知書についても、次のように回答をもらう。
- 今は宿泊施設向けで厳しい内容で、民泊では実施が困難だと思う
- 民泊が住居用を貸出しているので緩和される方向で国と調整しているらしい
- 消防法の確認についても、今は待ったほうがよい
3月21日:『民泊法規制』徹底解説及びタイムシェア転用説明会を受講
民泊運営に実績のあるファミリアリンクの説明会に参加。
難易度が高い消防法について詳しく説明を聞いた。
民泊が難しい物件の場合は、タイムシェアリング(貸しスペース)に転用することで、どのぐらいの売上が見込めるのか運営事例を見せてもらった。
3月30日:民泊制度コールセンターに確認
これはかなりお薦め!
民泊制度コールセンターに電話してみたのですが、スラスラと答えてくれました。セミナーに参加したり、行政書士に確認するよりもとても確実で早いと思います。
QAは次のとおり。
Q:申請時に管理業者の番号が必要になっている。3月末時点でどこの管理業者も許可をもらっていないがどのように申請するのか
A:管理業者は申請中として申請してください。あとで、変更届が出せます。管理業者が確定したら変更届を出してください。のちに登録済みの管理業者がポータルサイトにアップされます。そこから選んで申請してください。
Q:物件の管理業者に自分でなれる?不動産投資の経験があれば可能なのか?
A:はい、可能です。どのぐらいの賃貸経験があるのかを書いた職務経歴書を提出してください。
3月30日:消防本庁と墨田区福祉保健部保健衛生担当生活衛生課生活環境係へ連絡
物件の管轄が消防本庁なので、連絡。先に墨田区で事前相談の様式をもらうのと、物件の平面図をもって相談に行ってほしいと言われる。
墨田区に連絡。「墨田区のサイトに書いてある」と5回ぐらい言われる。
流れとしては、墨田区で事前相談して、消防設備を消防庁に確認してもらったあとに、再度、墨田区に資料を持参して確認してもらう。その上で、ポータルサイトで申請するということがわかる。
住宅宿泊事業に関する手続き 墨田区公式ウェブサイト
墨田区に再度、電話にて公式サイトにあるガイドラインについて確認しました。
Q:3ページの周辺住民等への事前周知で、ワンルームで管理組合がなく貸主が一棟管理している物件で、売主が民泊をOKしているが、隣の部屋や向かいの部屋に説明が必要なのか?
A:必要です。貸主が民泊を承諾しているとは関係なく、近隣(10メートル範囲)には説明が必要です。だが、周辺住民等に対し、ポスティングによる説明資料の個別配付等を行い、事業に関する周知を事前に行うこと。ということなので、ポストに紙を入れるだけでOK。
Q:5ページで管理業務の委託がある。これは8平米程度の小さなマンションを自分で管理することはできないのか?。売上がとても少ないので、管理業務を委託すると赤字になる、それでも委託しないといけないのか?
(1)管理業務の委託
家主不在型で事業を実施する場合は、住宅宿泊管理業者に管理業務を委託すること
ただし、以下のいずれにも該当する場合は、住宅宿泊管理業務を住宅宿泊事業者が自ら行うことができる。
①事業者が自己の生活の本拠として使用する住宅と届出住宅が、同一の建築物内若しくは敷地内にあるとき又は隣接しているとき
ただし、届出住宅から発生する騒音その他の生活環境の悪化を認識することができないことが明らかであるときを除く。
②届出住宅の居室であって、住宅宿泊管理業務を住宅宿泊事業者が自ら行う数が5以下であると
引用元:住宅宿泊事業に関する手続き 墨田区公式ウェブサイト
A:自主管理をするには、①と②は「かつ」なので、両方の条件を満たす必要があります。なので、家主の自宅と宿泊先が完全に分離して離れている場合は自主管理はできず、管理会社が必要になります。収益が赤字になるならないは関係がないです。
これはかなり大きな問題です。墨田区では、自主管理ができないことを示しています。東京で民泊をしている方は、ホストの住居とゲストの宿泊先が完全に離れているケースが多いです。小さな物件で管理会社を入れると、ほとんど収益もなくなってしまいます。
でも、これは疑問が残りますね。管理業務を委託しなくてもできることで、管理業務に自らがなれば問題ではないのでは???
5月2日:墨田区福祉保健部保健衛生担当へ事前相談
墨田区では保健所への事前相談が必要になります。
部屋の図面、登記事項証明書(全部事項証明書)、賃貸契約書を持参していきます。
感想としては、担当の方とお話して色々と驚きがあって、自分で悩むより早く区役所に相談に行けばよかったと思いました。
相談した結果をまとめます。
- 契約している区分マンションは事務所契約のため、住宅宿泊事業法が使えない
- 住宅宿泊事業法の対象は、住居用の住宅のみ
- 6月15日に改正施工予定の旅館業法であれば、事務所契約でも使える
- 改正されるの新しい旅館業法は区分マンションでも適用できる
- 新しい旅館業法では、管理は管理会社でなくてもよくて、清掃スタッフや近所の人でもよい
- 新しい旅館業法での申請は5月2日現在だと受け付けていない
- 墨田区には住宅専用地域がなく、商業地域・工業地域がある
結局、自分で調べて悩んでいたが、そもそも賃貸契約が事務所の場合は住宅宿泊事業法の適用外だということです。こういったこともあるので、早い段階で保健所に相談に行き、検討すべきこととダメなところをしっかり切り分ける必要があったと後悔しました。
あと、旅館業法が2018年6月に改正施工されてかなり使いやす リンク先タイトルくなります。担当の方と相談した結果、この旅館業法で申請をしたほうが良いとのことです。
住宅宿泊事業法では、許可された管理会社しか使えませんが、旅館業法であればアルバイトスタッフが管理者でも良いとのことです。ようは、30分以内で駆けつけることができればそれで大丈夫です。
旅館業法の改正について |厚生労働省
改正旅館業法、6月15日に施行 – 観光経済新聞
そもそもマンション所有者、管理会社が許可しない
民泊新法や簡易宿所、旅館業法の対応前提の前に、賃貸での区分マンションはマンション所有者や管理会社に明確に許可を得る必要があります。今回の物件では、検討してもらったのですが、6月15日までには許可を出せないということででした。
また、観光庁から厳しい通達が送られて、Airbnbでも許可を得ていない物件の6月15日以降の宿泊をキャンセルしました。
違法物件に係る予約の取扱いについて通知を発出しました | 2018年 | 報道発表 | 報道・会見 | 観光庁
日本へのご旅行を予定されているゲストの皆様へのサポートについて – Airbnbプレスルーム
6月15日までに明確に許可がでない物件は営業することができませんので、今回の墨田区にある区分マンションは撤退することにしました。
次は旅館業法を取得できる戸建てやアパートで営業しようと思います。
おすすめの民泊物件サイトと民泊アイテム
民泊の運用に役立つおすすめのサービスを厳選ピックアップしました。これから民泊を初める方はもちろん、民泊ホストの方にもおすすめです。