スマートデイズ社の「かぼちゃの馬車(女性専用シェアハウス)」での問題は、たくさん考えさせられることがあります。
テレビや新聞でも取り上げられていますので、今後の不動産投資に活かすために関連記事を整理しておきたいと思います。
今回の問題は、物件を購入した人、融資を行った銀行、物件を販売した業者、一般的な不動産投資家(経営者)から見た観点など色んな意見が議論されています。
(この記事は、随時更新しています)
そもそも「かぼちゃの馬車(女性専用シェアハウス)」とはなんなのか
公式サイトはこちらです。
かぼちゃの馬車|東京都内最大級の女性専用シェアハウス
Webサイトの説明文に、かぼちゃの馬車のコンセプトが書いてあります。
かぼちゃの馬車は、東京都内で頑張る女性の為に、安く住める女性専用のシェアハウスを提供しています。家具・家電完備なので、キャリーケース1つで、東京生活を始めませんか?全室鍵付きのおしゃれな個室・女性限定のかぼちゃの馬車で、まずは検索してみよう!
引用元:かぼちゃの馬車
運営会社は、株式会社スマートデイズ
「かぼちゃの馬車」は商品名のようなもので、その商品を扱っているのがスマートデイズ社。
公式サイトでは、「入居者プラットフォーム活用ビジネス」とWebページのタイトルに記載があります。
株式会社スマートデイズ | 入居者プラットフォーム活用ビジネス
会社のサービスメニューは次の4つ。
上京支援プログラム
「東京で夢を追いかけたい」「東京で一度はチャレンジしてみたい」そんな方たちの上京支援を行うプロジェクトです。
不動産会社であり、人材紹介会社でもあるスマートデイズだからこそ「住まい」と「仕事」の提供が可能になっています。
引用元:上京支援プログラム
地方や海外(台湾)から東京へ上京する際に、住居と仕事先を斡旋するプロジェクトです。
次のように2つのサイトの運営も行っていて、ここから集客している様子。
上京ONLINE
工作生活在東京
入居者様向けサービス
スマートデイズのシェアハウスは、全ての入居者が賢い日々(SMARTDAYS)を送るための始まりの物件。自分の目的のために、始めたいけど始められない東京生活。 そんなあなたが、気軽に東京生活をスタートできるように、徹底的にサポートする住居スタイルです。
引用元:入居者様向けサービス
今回、問題となっている「かぼちゃの馬車」を扱っているサービスです。
法人向けサービス
シェアハウスを社宅として利用できるサービス。
公式サイトも作成されています。
法人寮・社宅|株式会社スマートデイズ
サイトでは10社ほど社宅として利用された実績があるようです。
外国人向けシェアハウス
英語圏と韓国語圏に対応しています。シェアハウスは、国内のかぼちゃの馬車のようです。
KABOCHA NO BASHA 英語版
KABOCHA NO BASHA 韓国版
新聞・テレビでの取材
説明会に登壇したのは、5日前の12日に就任したばかりの菅澤聡社長をはじめ役員や弁護士、菅澤社長が代表を務め、同社の主要株主であるオーシャナイズ(東京都港区)の関係者らが出席した。
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会の冒頭に弁護士が、「本来なら大地が説明すべきだが、この場に出席する返事をもらえなかった」と前置きしたうえで、「私たちも騙されたと感じている。大地に対しては訴訟を起こし責任を追及していく」と繰り返し、自分たちも被害を被った立場であることを強調
引用元:借り上げ家賃の支払い停止 :: 全国賃貸住宅新聞
オーシャナイズはスマートデイズの親会社です。
出資を減損されていたのは、(株)オーシャナイズ(TSR企業コード:296564656)。オーシャナイズは、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」や男性向けシェアハウス「ステップクラウド」などを管理・運営するスマートデイズの親会社。
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上場子会社のA社はオーシャナイズに少数株主として出資していたが、複数の関係者によると数年前に出資分を減損処理した。
引用元:スマートデイズ親会社のオーシャナイズ、上場子会社からの出資が減損されていた : 東京商工リサーチ
一般的なサブリース会社のビジネスモデルと大きく異なる点がある。家賃以外の紹介料収入によりオーナーに一定の賃料を保証すると主張していた点だ。同社のメーンターゲットは地方から職探しに上京してきた女性。スマートデイズが企業に入居者を人材紹介することであっせん料を獲得し、家主へのサブリース家賃も保証するという。
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17年1月の入居率は一時34%まで下がり、入居者からの家賃収入が見込めないまま、満室時以上のサブリース家賃をオーナーに支払い、さらに、次々と新たに物件の販売を続けた。まさに自転車操業だった。人材紹介料が入るとしても、そもそも入居者がいなければ付随する収入は生まれない。
引用元:投資用シェアハウス 被害の真相を探る :: 全国賃貸住宅新聞
銀行から融資を受ける際に提出した書類の預金残高などが会社側に改ざんされた問題も見つかっており、刑事告発も視野に入れる。低金利に苦しむ地銀は不動産融資に積極的で、今後、同様のトラブルが広がる可能性もある。
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前社長は、入居者への仕事紹介などで収入があるため、空室が多くても利益が出ると勧誘していた。だが実際は賃貸以外の収入はほとんどなく、専用物件を相場より三割ほど高い価格で会社員らに売りつけ、その利益を賃借料の支払いに回す状態だった。
引用元:シェアハウス「かぼちゃの馬車」頓挫 所有者700人、混乱拡大
S銀行で融資資料の改ざんがあったと報じています。正直、ちょっとびっくりした記事でした。
スマートデイズの社長は、2018年1月12日に別の方に異動しています。
代表取締役の異動に関するお知らせ | 株式会社スマートデイズ
スマートデイズ シェアハウス投資でトラブル続出【ワールドビジネスサテライト】|テレビ東京ビジネスオンデマンド
テレビ東京での特集番組です。スマートデイズ社長や実際に物件を購入したオーナーに取材しています。キャスターがわかりやすく説明してくれています。会員申込をしている人は動画を見ることができます。
他のメディア
弁護士ドットコム
一括借り上げをする「サブリース」形式で、家賃保証をすることで決まった額の賃料を長期間にわたって払い込むとうたい、営業活動に熱を入れていた。
例えば銀行から1億円借金をして、毎月の返済費が50万円だったとしても、毎月55万円の賃料収入が得られれば、毎月5万円のもうけになる。この返済費を上回る「家賃保証」が長く続くことが、シェアハウス投資の魅力だとされた。
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結局、「賃料保証」という約束は数か月で破られ、巨額の負債が残った。2018年1月には、契約を合意解除し、スマートデイズに対して損害賠償請求など一切の請求を行わないことを約束させる「合意解除契約書」が送られてきた。
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建築単価も土地も3割ほど割高な価格設定になっていると指摘する。それだけ多額の借り入れが必要ということだが、家賃の長期保証が安心材料になったとみる。「建築会社からスマートデイズへのキックバックが組み込まれているのは明らかだろう」と話す。
引用元:「かぼちゃの馬車」魔法とけ借金地獄「気が狂いそう」、シェアハウス投資の賃料停止で相談相次ぐ – 弁護士ドットコム
楽待不動産投資新聞
楽待では積極的に購入した物件オーナーの状況を集めているようです。
購入した方がどのような説明を受けたのか、どのような状況に陥っているのか、今後どのような対応を検討していくのかが掲載されています。
「かぼちゃの馬車」終焉で自己破産者続出か
700人から1000億円をむしり取った「魔法の言葉」
「かぼちゃの馬車」で暴利を貪るスルガ銀行の闇
「スルガ」で破綻するサラリーマンは増えている
『かぼちゃの馬車』の破綻は他人事ではない
かぼちゃの馬車は「無価値同然の安物建築」
かぼちゃの馬車オーナー76人、スルガ銀行に返済停止を通知
健美家
シェアハウス騒動に見る「ニッチ投資」を狙うときに肝に銘じてほしいこと
要点を次の3つにまとめて説明しています。
1)土地・建物を相場より高い価格で投資家に売却している。
2)近隣の同スペックのシェアハウスと比較して高い想定賃料でサブリースしている。
3)当該物件取得に際し、通常はフルローン・オーバーローンで借入れできないはずなのに、一部の銀行が融資してしまっている。
引用元:不動産投資の健美家(けんびや)
記事の最後は次の言葉で締めてします。
不動産投資をする者は、投資家ではなく経営者としての自覚と覚悟をもって不動産賃貸経営にあたらなければならないのです。
引用元:不動産投資の健美家(けんびや)
やはり来たシェアハウスブームの終焉
日弁連が国に意見書提出、サブリーストラブル発端にアパートローン審査厳格化か?
マネーボイス
家賃保証の魔法がとけた「かぼちゃの馬車」、被害が拡大した4つの問題点=姫野秀喜 | マネーボイス
時系列での掲載
2018.04.02 かぼちゃの馬車と交通事故の共通点【LIFULL HOME 不動産投資】
かぼちゃの馬車と交通事故の共通点【LIFULL HOME 不動産投資】
不動産投資家の方が、かぼちゃの馬車のシェアハウス投資について、失敗しないための方法を4つのポイントで紹介しています。
2018.04.09 スマートデイズが民事再生法を申請して受理される
シェアハウス投資 スマートデイズが民事再生法申請|テレ朝NEWS
スマートデイズ社は、今回の民事再生に関して公式にもお知らせしています。
(以下の資料は公式サイトより引用)
文中から、サブリースの契約は終了の方向で、入居者の水道光熱費はスマートデイズが負担していますが、それも提供が困難になるようです。
民事再生は、現在の経営者は原則として、退陣する必要はないです。債務の免除や弁済猶予があり、事業継続が行えます。
民事再生とは | 企業再生
2018.04.17 「かぼちゃの馬車」の運営会社が経営破綻 物件所有者が自殺
物件所有者側の弁護団が17日、所有者の中から死者が出たと明らかにした。死因については「多額の借金に悩んだことによる自殺だ」と説明している。
引用元:「かぼちゃの馬車」の運営会社が経営破綻 物件所有者が自殺